活動趣旨

私たちは、憲法9条の精神を尊重し、擁護する有志の弁護士です。日本の平和と安全をどうやって守るのか、国際貢献をどうするのかという点については私たちの間でも様々な意見があります。

しかし、自衛隊が海外に行ってアメリカ軍などと一緒に戦争ができるような憲法「改正」に反対するという点では、私たちの意見は一致しています。

そこで、私たちは、平成18年4月22日に徳島弁護士9条の会という団体を結成し、憲法9条を擁護する立場から様々な活動を行っています。


会の活動を説明した資料をお届けします。

立憲主義

私たちの自由を守る大切な考え方です。私たちの自由は、長い歴史の中で、王様や独裁者といった権力を持つ人たちの権力の濫用によって、不当に奪われてきました。そこで、国家権力を行使する人たちが、その権力を濫用して、私たちの自由を奪ってしまわないように、私たちが作ったルールに従って権力を行使させようという考え方が生まれました。このような「私たちの自由を守るため、国家権力にルールを守らせて、その権力行使に歯止めをかける」という考え方を立憲主義といいます。

そして、「国家権力が守らなければならないルール」のことを憲法と呼びます。ですから、憲法は国家権力を縛るルールであり、国民を縛るルールではないのです。


平和主義

数十年前まで、日本は戦争を繰り返す国でした。その中で、国民の安全や自由は犠牲にされてきました。平和主義とは、戦争や暴力に反対する考え方です。日本国憲法前文では、戦争を繰り返してきた歴史を踏まえ、平和主義を採用することが明言されています。

非暴力による平和外交を行うことや全世界の国民に平和のうちに暮らすことができる権利があることを宣言しています。また、飢餓、貧困、差別といった構造的暴力をなくすために、平和に向けての構想を積極的に世界に提言するなど、平和を実現する行動をとるべきことが要請されています。

積極的な平和的行動が国民の平和や安全の保障につながると確信されているのです。そして、この平和主義の考え方が、憲法9条に具体化されています。


集団的自衛権

憲法9条では、戦争や武力の行使などを放棄し、戦力を持たないこととされています。ただし、日本が外国から武力攻撃を受け、国民の生命や財産が危機にさらされたときは、そのような事態を排除するために、必要最小限度の実力行使ができると考えられています。

これを「個別的自衛権」といいます。これに対し、「集団的自衛権」というのは、日本が武力攻撃を受けていなくても、自国と密接な関係にある外国が武力攻撃を受けたときに、実力をもって阻止するものです。

これは、他国の武力攻撃が日本に及んでいない状況で実力行使を行うものであり、もはや「自衛」とはいえませんので、憲法9条のもとでは認められません。ところが、このような制約を取り払い、集団的自衛権を認めようとする動きがあります。そのことが現実化した場合、自衛隊が海外で武力行使を行うことが可能となり、日本の平和主義は大きく変容することになります。